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ロンドン Klinefelter Syndrome専門クリニック

クラインフェルター症候群の専門クリニックがロンドンに開設されました。

https://www.guysandstthomas.nhs.uk/our-services/urology/specialties/klinefelter-syndome/overview.aspx

 

クラインフェルター症候群(KS)は、XXYという性染色体トリソミー(Xがもっと多い場合もあるが多くはXXY)が原因で、多くの症状・病気に苦しんでいます。

2本あるX染色体のうちの1本はXistにより不活化されますが、不活Xの中には一部抑制から漏れ動く遺伝子もあります。また pseudoautosomal region (Y染色体とX染色体両方にある、相動性が残されている領域、疑似常染色体領域)が Xistの抑制から外れると本来の1.5倍の遺伝子発現になります。

ことはpseudoautosomal regionにとどまらず、常染色体にもエピジェネティックな変化が生じることから、非常に複雑な遺伝子発現になります。

 

KS患者は生涯にわたって低いテストステロン値を示すことにより、

筋肉量減少、インスリン抵抗性を介したメタボリック症候群、Ⅱ型糖尿病、骨粗鬆症認知障害、静脈性潰瘍、自己免疫疾患など様々な病気に対すリスクが高くなります。

 

不妊治療、泌尿器科、遺伝学、内分泌・代謝、循環器、心療内科、、、診療科をまたぐ総合的な診察と治療が必要ですが、現状は、KSに対する理解が足りているとは言えない状況です。 

このロンドンのクリニックは一カ所で総合的に見てもらえるとのこと。日本でもこのように一カ所で多角的に診察・フォローしてくれる施設ができる事を願ってやみません。